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SAKE DRESS(サケドレス)開発までの、すべての道のり。

株式会社モリタミ取締役、SAKE DRESS(サケドレス)ブランドオーナーの森 將(もりしょう)と申します。

SAKE DRESS(サケドレス)の商品コンセプトは、香り。零下の豪雪地帯で職人のかじかむ手で1,500時間かけて大切に育てます。それは、ラ・フランス香る至極の香滴。「自ら輝き、周囲を灯す日本酒」として、ドレスを纏うエレガントな姿のように美しい香りを纏う日本酒となりました。それは大正13年(1924)に我々の初代、森信吾が「人や社会を灯す日本酒」を志した100年前の想いを受継ぎ、そして超えていく日本酒でありたいと考えているためです。

私は元々一部上場の航空会社において、世界中のスターホテルとの契約や、マイレージマーケティング、中国大連へ駐在を経験しておりました。そんな私が「なぜ今日本酒なの?」「どうやって作ったの?」「サケドレスのこだわりは?」と質問を頂く機会があり、ストーリーの1つとして皆様へお伝えする為、この場を選びました。

全てを込めた内容です。長文となりますが、ご一読頂けますと幸いです。

 

1.変化する、酒粕の香り

2.日本酒の魅力に取りつかれ、動く

3.日本酒の価値

4.SAKE DRESS(サケドレス)の価値

 

1.変化する、酒粕の香り

私の周りにはいつも酒粕の香りが漂う。1987年宮城県仙台市にうまれ、働く人・そこにいる人はみんな酒粕の香りが身体に染みついており、幼少の頃からノンアルコールの麹や酒粕から造る甘酒を飲むことが日常的でした。

うまれた家は、江戸時代より日本酒製造を続ける森民酒造本家と森民酒造店から分家した、元酒蔵(モリタミ)です。初代森信吾は、当時スペイン風邪や関東大地震で混沌とした空気の中で「人や社会に光を灯す日本酒」を志し、代表銘柄を「民光(たみひかり)」と名付けました。味わいへの考えも特徴的で、辛口が主流の時代に逆らい、誰もが美味しく、水のように飲みやすい酒質を追求し、お客様に寄添う品質を求めました。それは「我を信じる」という意味で「信吾」と名付けられた、初代の宿命であったのかもしれません。(詳細ストーリーはこちら。)

さて元酒蔵(モリタミ)と述べましたが、それは昭和53年に発生した宮城県沖地震による酒蔵の倒壊が理由です。初代・二代目と続く酒蔵は、震災被害によって半世紀つづけた製造を断念し、その後は、三代目の父親を中心として、酒蔵の一部を倉庫として活用する、卸売・小売を営みました。私が産まれたのはこの頃です。ただ滝のように汗を流し一升瓶を運ぶ姿、そして常に様々な商材を試飲している父親や社員の姿は、幼少時の私にとって憧れではなく、酒粕の香りも好きではありませんでした。

むしろ5歳から兄の影響でアイスホッケーをはじめ、毎日のように世界最高峰のアイスホッケーリーグ、NHLをビデオで繰返し見ていたプロフェッショナルこそ、私の憧れ。アイスホッケーに夢中になり小中学生で県選抜主将に選ばれ、高校・大学と推薦で進学し頭の中に描いていた道を走っていました。海外遠征やU18日本代表候補、国体選手にも選抜され海外チームへ挑戦したい気持ちを抱く一方で、実力の違いを思い知らされ異なる世界を見たいと考えたのが、航空会社を志したきっかけです。

入社後は、海外契約、マイレージ最上級会員のマーケティング、中国駐在と海外畑を歩みました。毎日多国籍の取引先やお客様と接し条件交渉やサービス提供・クレーム処理等、語学や文化の壁に苦しんだ毎日でありましたが「違い」を実感する日々でありました。特に中国大連駐在の時はハードでした。海外支店は人数が少なく、翌日から戦力の一人として稼働。

「ニーハオ。」

中国語オンリー。全く話せない私にとって中国語のみの委託会社スタッフを管理するのは恐怖。何を全く言われているかわからない中、筆談で凌ぐ日々でした。重圧が不安になっていたのでしょう。赴任して2週間後には高熱を出しました。しかし数ヶ月経つと徐々に語学や文化にも慣れ、最後は大連の方言を話せるほど現地に根付き、今では中国が大好きです。

そして世界中の5スターホテルと接する機会。この時間が「民光」97年の刻を動かす大きなきっかけ。世界中の就航先で契約するホテルは100を超え、月の半分は名だたるグローバルホテルの選定や管理の為に世界中を飛び回り交渉を重ねました。「海外で勝負したい」と入社を決めた私にとって、この時間は望みが叶った瞬間。国によっては入札プロセスが整っていなく、スマートフォンと名刺を片手に、一人でホテルへ飛込営業をしていました。Googleマップを頼り開拓する姿は決して効率的ではありませんでしたが、ANAのプレゼンスを説明し契約に至ることを楽しめた時間です。

同時に様々な国で多様なバッグランドを持つ方と会食やコミュニケーションを通じ、互いの文化を話す機会も増えていく中で、日本酒の現実が目のあたりに。寿司や天ぷらの和食は非常に親しまれているものの、日本酒の品質の良さは全く認知されておらず。小さな酒器で一気に飲む。酔うお酒。鼻に抜けるアルコール感が強い。など、一流のビジネスパーソンでさえ本当の日本酒を知らない方が大半でした。有名百貨店でさえも、日本酒の瓶に埃を被る光景があり、それは日本人として心が痛む瞬間。幼少より身近である日本酒の悲しい姿を目のあたりにしました。

一方で、自分が好きな日本酒を手土産で持参すると、

 

「本当の日本酒ってこんなに美味しいのね。」

「なんで広まらないのかわからない。」

「和食だけではなくフレンチのムニエルには最高だね。」

 

と新しい体験に出会えた人々の目は輝いており、やはり日本酒の良さが伝わっていない。と理解できる機会でもありました。

また機内の外国人乗客が日本酒をオーダーする頻度が徐々に増えている、評価が高い。と、サービスをするCAから聞き、日本酒の可能性を感じた瞬間でありました。幼少の頃の私には遠い存在であった酒粕の香り。私は大人になり、ようやく日本酒の魅力に気づきはじめていました。

 

2.日本酒の魅力に取りつかれ、動く

それからは取りつかれように動きました。休日を利用して蔵を訪れて造りを勉強し、飲食店や酒販店で様々な日本酒を試飲。以前の蔵の様子や酒販店(モリタミ)について代表の父親に聞いたり本を読み歴史を学んだりと、どんどん日本酒に惹かれていきました。

また様々な参考文献や実績を探し日本酒産業の現状を数値で理解しました。国内日本酒産業は縮小傾向にあるものの輸出は堅調に推移しており、特にアジア圏の勢いがましている。一方、同じ醸造酒でベンチマークされるワイン市場規模は約100倍で、フランスやイタリアワインが1兆円規模の輸出と、桁が違う等、様々な情報に触れていきました。確かに数値だけで見ると日本酒は世界的に未成熟。しかし実体験を通じて、私が取りつかれた魅力は世界に愛されると確信していました。

そして日本酒の道に行くことを決意。日本酒の魅力に取りつかれ、日本酒の魅力と市場規模に乖離がある。世界で愛される商材である。という現状理解と、大正13年創業の刻をもう一度動かしたい。という強い想いをもってANAを退職し日本酒で世界と勝負することを決めました。世界と対峙し、海外が大好きな私にとって日本酒を世界に広めていくのはワクワクでありました。

しかし現実は全く違いました。

世界は日本酒を待っている、97年の刻をもう一度動かしたい。と、様々な銀行に事業承継先がないかプレゼンをしました。

「素晴らしい考えですね。」「うちでも探してみます。」

と前向きな話を頂く。

 

しかし日が経過し再度連絡をすると、

「厳しいです」「いい答えがなくすいません、引続き探してみます」

「もしあればお伝えします」

との回答でありました。

当初自信満々で退職し日本酒の事業承継先がないかスタートしましたが直ぐに壁にぶつかりました。全く見つからない。実績もない、知識も浅い中でどう乗越えていくか。これまでも、中国語が分からない中、そして海外で飛込営業をするなど、自分の力で勝ちとってきました。

一度立ち止まって考えた結果、私の出した答えは製造を委託することでした。他業界では一般的ではありますが、伝統文化や歴史を大切にする業界にとって進んでいるとは言い難い環境です。しかし今の私にとって前に進む道はこれしかないと考え、行動しました。

その際、やらない事として2つ。

①親戚が蔵元のメーカーは避ける ②酒販店を経営していた父親の紹介は避ける。

厳しい環境に身を置かないと中途半端になる。と考え、2つの道を避け、頼るのは品質と流通だけにしようと決めました。(コロナ禍においてご対応頂いた方には感謝申し上げます。)

金融機関並びに直接メーカーへ問合わせること15件、一つの兆しが。

「蔵を再建するプロフェッショナルがいる。」

それが今回サケドレス製造を委託させて頂いている、秋田県横手市の(株)大納川田中文吾社長。大手ビール会社を経験後、13社の酒蔵の再建をし、そして大納川を事業承継して経営されています。日本酒造りの経験は勿論のこと、酒蔵経営のプロフェッショナル。直ぐに電話をして翌月に訪問することが決まりました。訪問当日ワクワクする気持ち。そして近づくにつれ緊張も。

「はじめまして。モリタミの森と申します。」「是非日本酒を造らせてください。」

次の瞬間、

「出来ることは何でも協力します。」「蔵を経営したい若者が出てきてくれるのは嬉しいです。」

 

と言われ委託製造先が決まりました。蔵を見学させて頂くと至る所にメッセージが掲げられている。

「心を酔わす。」「蔵の雰囲気は酒に伝わる。」「酒は造り手を見ている。」

味わいは勿論こと、大納川とパートナーになれば間違いなく最高の品質が出来る。と自信がみなぎった瞬間でありました。

ただ一方で現場を知らずして心の入る美味しいお酒は出来ない。マーケティングやブランディングも大切ですが、絶対的な品質が真髄であり、現場の想いを知ることが大事であり、そこをないがしろにしてはいけない。2021年2月から造りに参加させてもらうことにしました。

今は日本酒のすべて工程を経験し、寒仕込み期間中は、定期的に泊り込みで製造に入っています。洗米から始まり瓶詰まで丁寧に一つ一つ管理していく日本酒造り。綿密な分析を毎日行いお酒の状態を理解する。そして数値だけではなく目利き・手触り・香りの五感を研ぎ澄ませ、数値にはあらわれないお酒の表情や声を感じていく。製造技術によって品質が大きく変わる姿を目のあたりにし、日本酒が培ってきた技術革新の歴史を肌で感じています。

 

3.日本酒の価値

「日本酒の付加価値はなんだろうか。」

そう想うようになったのは、同じ醸造酒のワインを見てからです。産地、ブドウ、熟成など、天候や時間に応じた自然の力によって起きる変化を付加価値とし、価格に多様性をもたらすワイン。安いのは500円から高いのは100万円も存在します。逆に言えば、付加価値は日本酒の価格の多様性や弾力性をもたらす可能性を秘めているのではないでしょうか?

その答えは技術です。30-40年前の純米酒は酸味が強く今のような飲みやすさには遠かった。と酒販店の方に言われますが、それを乗越えたのは蔵人の技術革新だと現場を見て確信しています。

天候や気温、水温によって変化する加水加減。室温や湿度によって変わる麹の出来具合など、自然の影響を多分にうける日本酒。しかしその都度、過去の分析データと五感を研ぎ澄まし、適切な状態へと軌道修正していく。この繰り返しが、昨今の純米酒需要を実現した土台であり、この30-40年だけでも蔵人の技術は大きく進歩しているのです。

さらには、日本酒の原料である米は、天候により出来栄えが左右されます。自然水の水温も変わります。しかし日本酒の品質は年々進化しています。それは自然の変化さえも受け入れられる蔵人の技術が、進化を支えているといっても過言ではありません。

近年、希少な原料や精米歩合(米の磨き)を用いた付加価値を様々なメーカーが挑戦しております。良い原料を用い、米を磨くことで綺麗な酒質のお酒は造れます。しかし何れ限界がくる。米を磨くのも限度があり、かつ米の種類も数多くあるわけではありません。一方で蔵人の技術は日々磨かれ、品質は向上し、さらにはその土地柄にあった個性が出てきます。

私はこれが日本酒の最大の付加価値だと考えています。その土地の風土を活かした技術が何百年と伝承され、今日も磨かれる。原料や精米歩合だけではなく、蔵に応じた個性や特徴が受継がれ、現代において更に進化する蔵人の技術は、価格の多様性を実現すると、私はそう信じています。

小学生の私には遠い存在であった酒粕の香り。

私は大人になり、そして日本酒を学び、ようやく日本酒の魅力を確信しました。

 

4.SAKE DRESS(サケドレス)の価値

大正13年創業、初代森信吾は感染症や関東⼤震災の混沌とした時代に「人や社会に光を灯す日本酒」を志して製造した「民光」は、「自分が輝き周囲を灯す日本酒」という、100年前の志を受継ぎ、そして超えていく日本酒「サケドレス」として再起します。

サケドレスのコンセプトは「至極の香滴」

至極の香滴は、何百年と伝承され品評会で首席を獲得した技術を、それを全て引出しています。故に圧倒的な香りのする、日本酒技術の結晶となりました。

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2022年春より発売開始の-SAKEDRESS 瞬冷-は、巧みな冷却技術によって、香味成分の散逸をとどめ旨味成分をとじ込める逸品です。一本一本の状態を見極めながら冷却し酒質の安定と逸品を造るための非常に手間のかかる技術を施します。故にラ・フランスのような華やかな香りが清かに広がり、甘味・旨味・酸味の黄金比率からなる濃厚なのに爽快な味わいとなるのです。

もう一つは、昨季の先行発売で販売開始当日に売り切れた-SAKE DRESS雫落-。今季も本数限定で販売を見込んでおります(100本)。自然の重みで一滴ずつ落ちる雫は、水滴が木の枝から一滴ずつ落ちるようで一切雑味のない味わいです。故に蔵の威厳をかけた出品酒として世に送り出すときに選択され、一般流通においては希少なお酒となるのです。また火入れをせず瓶内で生きる酵素の働きは、より濃醇で時間の経過とともにまろやかさをもたらします。

このように、現在紹介するサケドレスの商品は、最高峰の日本酒技術によって一本一本造られます。そして飲むだけではなく、日本人にしか造れない日本酒を志し、日本美意匠を採用しています。是非、技術の結晶と美しい日本のデザインを装うサケドレスを、みなさまの手でお試しください。

*主な実績はホームページトップの”主な実績”をご覧ください。*今期の「雫落」は完売しました。

 

5.最後に

サケドレスブランドを成長させるために胸に秘めておきたいことを分かりやすい指針へと定め、行動することをお約束します。

我々の信念
日本文化の結集で、世界の情(こころ)を灯す
世界でも類を見ない伝統技術の全てを引出した品質と、日本文化や日本人の国民性を重んじる意匠設計は、日本人にしか造りあげられない<日本美>にこだわる作品であり、世界中の心(心情や感情)を豊かにすると信じています。

信念を具現化する方法
至極の香滴、四季や歴史模様を盛込むデザイン
豪雪地帯の零度の酒蔵にて、圧倒的な香りの追求と誰もが日本らしさを感じられる美しいデザインを。

方法の具体化
SAKE DRESS(サケドレス)
日本が誇る、伝統技術・文化・歴史の美しさという、<日本美>にこだわる作品。

 

SAKE DRESSブランドオーナー 森 將